考えるスキル

ラテラルシンキングとは【なぜ今の時代に必要なのか】

・新しいアイデアを出せと言われるが、なかなか思いつかない
・様々な視点から発想を生み出す方法を学びたい
・ラテラルシンキングって最近よく聞くけどそもそもよくわかってない

今回はこのようなお悩みをお持ちのビジネスパーソンにお届けします。

このブログを読むことで得られる成果

  • ラテラルシンキングの基本的な考え方が理解できる
  • アイデアを生み出すための考え方を身につけることができる
  • 「収束」ではなく「発散」を通じて創造的な活動ができるようになる

ラテラルシンキングとは、既成の理論や概念にとらわれず異なる様々な角度から物事を見ることで、自由なアイデアを生み出すための思考法です。
「筋道を立てて論理的に回答を導き出す」ロジカルシンキングに対して、発想を横に広げていくこと(水平:lateral)で解を求めていく方法のため、ラテラルシンキングは、「水平思考」とも呼ばれています。

なぜラテラルシンキングがビジネスに必要なのか

他社・他社と差別化を図ることができる

ラテラルシンキングができる人とできない人では、出来ることの幅に差が出てきます。
世の中にあるビジネスモデルや仕事のプロセスは、ある程度似たり寄ったりのケースがほとんどです。特に、ロジカルシンキングの活用だけでは常識を超えた発想は生まれにくいのが現状です。
そのため、ラテラルシンキングによる発想が他者・他組織との差別化を生むのです。

多様な意見が出る

ラテラルシンキングを繰り返すことで、多様な意見が出るようになります。
ビジネスにおいて唯一無二の解というものは存在しません。そのため、できるだけたくさんの意見を出すことで、結果的に最短距離で解にたどり着くことができるのです。

ラテラルシンキングを活用した事例

  • ダイソンの羽のない扇風機
  • はがれやすいがくっつきやすいポストイット
  • 素材を変えることで汚れがくっつきにくくなったアラウーノ 等

ラテラルシンキングを鍛えるには

方法論の発想

自由な発想でアイデアを出すのがラテラルシンキングではありますが、その発想を補助する様々な手法を使ってトレーニングをすることで、効率的にアイデアを出すことが可能になります。

5つの方法から発想を出す

  • 改善法
    既存のサービスに関する要望(不満)を担当者や顧客からヒアリングし、それをベースに様々な企画を実施することです。
  • 情報翻訳法
    他の国、同業他社、他業界にあるものを自分の業界にあてはめることです。
    例: 「欧米では・・・」「他都道府県では・・・」「伊勢丹では・・・」「トヨタでは・・・」
  • マトリクス表
    表を作成し、欠けている(弱い)エリアの商品を開発することです。
  • 定点観測法
    特定のサービスの利用者を一定時間観測し、特異な行動がないかを調査し、サービス開発に活かすことです。
    例: 職場、窓口、工場、売り場などに一日中座ってみる など
  • 合体法
    ある分野のものと別の分野のものを合体させることです。
    例: 携帯電話 + 携帯情報端末 = スマートフォン

右脳を使った発想

脳には、左脳と右脳があります。一般に、左脳は思考や論理をつかさどる「人間的な脳」、右脳は五感をつかさどる「動物的な脳」と言われています。
「右脳を使う」というのは、なんとなく「難しそう」「センスが必要では?」と思われがちです。しかし、企画において「発散」の段階では、型にはまらず自由に考えることが必要です。
「センスがあるか」「間に合うか」「お金が足りるか」「うまくいくか」「周りに気に入ってもらえるか」など、現実的なことは気にせず、まずはとことん出し切ることです。左脳の出番はそれからです。
頭のよい人ほど現実的に考えてしまいがちですが、自分で制限を設けないことがいちばんのポイントです。とにかく「広げる」ことにこだわりましょう。

連想的に考える

私たちはすでに知っていることからしか、何かを考え出すことはできません(知らないことは思いつきません)。
一方で、本当は既に知っているけれども思い出せないことも数多くあります。これらの「埋もれてしまったアイデアの元」を掘り出すために使うことができるのが「連想」です。
連想の仕方は非常に簡単です。「○○といえば・・・・」と思い浮かぶものを次々と書き出すうちに、はじめのうちはありきたりなキーワードしか思いつかなかったものが、10個、20個と書き出しているうちに非常にユニークなキーワードに行きあたります。

オズボーンのチェックリストを活用する

右脳的に考えようとしていても、どうにも前に進まないときがあります。
そのようなとき、頭と気持ちをアイデアが出る状態に戻すのに一番効果的な薬は、「原点にもどって(つまらなくてもいいので)なにかひとつアイデアを出す」ことです。
そんなときに、ブレーン・ストーミングを考案したアレックス・F・オズボーンが作成した下記のチェックリストを使用すると効果的です。

オズボーンのチェックリスト

  • 転用:新しい使い道はないか、他分野へ適用はないか
  • 応用:似たものはないか、何かの真似はできないか
  • 変更:意味、色、働き、音、匂い、様式、型を変えられないか
  • 拡大:より大きく、強く、高く、長く、厚くできないか
  • 縮小:より小さく、軽く、弱く、短くできないか
  • 代用:人、物、材料、素材、製法、動力、場所を代用できないか
  • 再利用:要素、型、配置、順序、因果、ペースを変えたりできないか
  • 逆転:反転、前後転、左右転、上下転、順番転、役割などを転換してみたらどうか
  • 結合:合体したらどうか、ブレンドしてみたらどうか

まとめ

いかがでしたでしょうか。

急速な社会の変化により顧客のニーズが多様化する中で、これまでと同じ方法だけでは業績が上がらないことも多くなってきています。ラテラルシンキングを身につけて様々な意見やアイデアを出し、新たなビジネスチャンスに繋げていきましょう。